いつかまた北欧へ

子育て中のため、大好きな旅行は封印中、、でもまたいつかきっと!

『小袖日記』

  • 2011/10/27(木) 午前 0:07

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「タイムスリップした先は、 『源氏物語』 の執筆現場だった!」

 

と書いてある帯に惹かれて買ってみたのですが、これがなかなか面白かったのです (^^)



まず、みなさんは 『源氏物語』 をご存知でしょうか?

 

といっても、タイトルや紫式部を知っているか、という意味ではなく、
源氏物語を読んだことがありますか?」 あるいは、
「読んだことはなくても、ある程度の内容を知っていますか?」
という意味です。

 

私は小説としては読んだことはなく、 『あさきゆめみし』 というコミックで読んで
「ある程度の内容は知っている」 程度なのですが
(そのコミックが実際の源氏物語の何%ほどについて描かれているのかはわかりませんけど)
その程度の知識でも、十分楽しめました。

 

と言いますか、この 『小袖日記』 の内容が
源氏物語を語る上でかなりの重要人物ばかりを取り上げているからなんですけどね (^^;

 

 第1章 夕顔
 第2章 末摘花
 第3章 葵
 第4章 明石
 第5章 若紫

 

どうでしょう、源氏物語を少しでもかじったことのある方なら、ご存じの名前ではないでしょうか?



ただ、この 『小袖日記』 、もちろん源氏物語の世界をそのまま持ってきているわけではなく、
「それぞれのモデルと思われる本人たちは実はこうだった」
という切り口で展開していまして、その発想が斬新で面白かったです。

 

例えば、 「六条御息所」 は実はとても心優しい人で、それ故、
悪者のレッテルを貼られてでも他の人の秘密を守ろうとした、とか。

 

源氏物語プチ解説)
六条御息所」 とは、主人公・光源氏の年上の恋人で、美しいが恐ろしいほどの嫉妬心の持ち主。
生霊となって、上記の 「夕顔」 や源氏の正妻 「葵」 を呪い殺してしまう。



また、源氏物語の中では 「不美人だが心は美しい(?)」 とされている 「末摘花」、
彼女は本当はとても美人だったのだが、なぜなかなか殿方に会おうとしなかったのかといえば、
それはある意外な理由があったから、とか。



現代女性が平安時代にタイムスリップしてしまう、という内容自体はSFなのに、
源氏物語の中で書かれていたSF的な部分は、逆にかなり現実的な内容に置き換えられていて
そのギャップもなかなか面白い。



この本を読んだのは半年以上も前で、その間に買った本の多くはすでに古本屋行きとなっていますが
これはもう一度読んでみたいと思い、まだ手元にあるのです (^^)